2021-12-10

腰痛とお腹の関係

腰痛のお悩みで来られた来院者さんを見る時に大切にしていることの②番目は『お腹を見ること』です。私の整体師としての礎でもある整体法を学んだ時にその師匠は「整体はお腹に始まりお腹で終わる。お腹を調整すれば全身のどこでも良くなる」と仰っていました。それ以来私は来院者さんのお体をみる時に必ずお腹を触るようにしてきました。では、実際に来院者さんの腰痛に対処する時に必ず見るお腹のポイントについてお伝えしたいと思います

上・中・下丹田のバランスを整えます

ピンと来ないかもしれませんが、とにかくお腹には上丹田、中丹田、下丹田という処があるということを覚えておいてください。場所は下記の図を参照してくださいね。(このブログで扱います上丹田・中丹田・下丹田の働きと場所は私が学んだ整体法独自の考え方ですので、一般のヨガなどで説明されている場所や働きとは違いますのでご注意ください)

上丹田は緩んでるのが良い状態です。よく緊張して固くなるといいますが、この時はだいたい上丹田のあたりが硬くなっています。中丹田は上丹田と下丹田のバランスをとる処ですのでそれぞれの中間位の状態が良い状態です。下丹田は反発力のある充実した状態が良い状態です。よくここ一番という時に「腹に力を入れろ」と言われますが、その力を入れる場所がこの下丹田です。

腰痛になっている方のお腹はたいていの場合、上記とは逆の上丹田は硬くなっていて、下丹田は穴が開いたように力がない状態になっています。結果中丹田も良い状態ではありません。

一通り施術を終えて腰痛がきちんと改善しているかどうかは、上・中・下丹田の状態がバランスのとれた良い状態になっているかどうかで判断できます。

<図(丹田の場所)>            

Ⓐ上丹田:みぞおちの少し下

Ⓑ中丹田:上丹田とおへそ✖の中間

©下丹田:おへそから下へ指三本分

 

 

 

 

お腹の硬くなっているところを緩めます

背中側の筋肉で硬くなっている場所とちょうど反対側のお腹の場所も硬くなっていることが多いです。なので直接背中側の硬くなっている筋肉を緩めなくてもお腹側の筋肉を緩めてあげることで背中側の筋肉も緩んでくれます。

何故お腹側を緩めるのかといいますと背中側の硬くなっている筋肉は痛みを発していて、つまり筋肉に問題があり炎症を起こしていたり傷を持ったりしていますので直接刺激を与えることはさらに助長することになるからです。

お腹の奥深くにある〇〇筋を働かせます

〇〇に入る筋肉の名前は、腹横(ふくおう)です。そう、覚えておられますでしょうか?以前に取り上げました腹式呼吸で働かせようとしていた筋肉です。腹横筋(ふくおうきん)と言います。

この筋肉は普段お生活の中では意識することが無いと思います。アスリートは別ですが。ここではその働きだけ覚えておいてください。

腹横筋の働きは、ひとことで言いますと姿勢を支えることです。歩いていて何かにつまずいてよろける時ありますよね。その時にイの一番によろけて転倒することを防いでくれるのがこの腹横筋なんです。

そして腰痛の方は、この腹横筋が硬くなっていることが多いです。腰痛が酷い時に整形外科で出される腰痛ベルトはご存知でしょうか?腰痛でも動けるようにするために腰を守るベルトです。腹横筋はまさに腰痛ベルトの役割をしてくれている筋肉で、腹横筋が硬くなって本来の働きが出来ない状態では姿勢を支える事もおぼつかない状態になってしまいます。

なので腰痛がある方には、腹式呼吸で腹横筋の状態を柔らかく本来の働きが出来る状態になるようにしてもらっています。(腹式呼吸のやり方は、以前のブログ「腹式呼吸」を参考にしてください)

まとめ

腰痛といえば皆さん痛い時腰に手を当てるように体の背中側に意識がいくと思います。ご自分でも腰が痛い時は腰に手を当てる場所にシップを貼ったり、トントンとコブシで叩いたり誰かに揉んでもらったりすると思います。

もちろんそれでも楽にはなりますが、今回お伝えしましたように腰が痛い時にあまり意識しないお腹のことも気にして頂けるともっと腰痛が楽に対処できるようにもなると思います。

今回は私が腰痛の対処で大切にしているお腹についてお伝えさせて頂きました。何故、腰痛を良くするのにお腹が大切なのか少しでも理解して頂けましたでしょうか?その中の一つでも皆さんが腰痛で困ったときに対処するのにお役に立てることを願っています。

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