腰痛の原因は腰には無い?
今回はノウハウではなくて、私の思いについてお伝えさせていただきます。そもそもなぜ整体師になろうとしたのかにも通じることですが、腰痛のお悩みで来られた来院者さんを見る時に大切にしていることの①番目は『痛みを感じている部分(腰)だけを見るのではなくその人の身体全体を見ること』です。その理由についてお伝えさせていただきます。
腰痛の原因は腰には無い
腰痛の原因が痛みを感じている腰にはほとんどの場合ありません。では、何処にあるのかといいますとそれは10人いたら10通りの原因があり、これが原因だと特定することは出来ません。
私が整体師になる時に背中を押してくれたきっかけにもなったことですが、それは20年程前の出来事です。高校時代からの親友がふと家に遊びに来た時に「腰が痛いわ」と珍しくつぶやいたのを聞いたのです。その時は仕事で疲れてるんやなあ程度にしか思わなかったのですが、それからしばらくして突然にその親友が胃がんで入院したことを知りました。
若かったこともあり入院した時にはすでに手術も出来ない状態でした。その後の経過はご想像にお任せします。
その時に強く思ったことが整体師になる背中を押してくれました。それは、『腰痛になった時にちゃんと原因を見つけられて早く対処出来ていたら親友は今も元気で居れたかもしれない』ということでした。
それまでは腰痛といえば体の使い過ぎで腰に負担がかかり腰の筋肉が固くなっているから起きる程度にしか思っていませんでした。それが、そうではないということを嫌というほど思い知らされた出来事でした。
腰痛の向こうには数え切れないほどの原因が隠されています。それは、悪性ガンかもしれません。胃腸の不調かもしれません。食べ過ぎ飲み過ぎかもしれません。寝不足かもしれません。畑仕事で無理したのかもしれません。
それは、その人の身体全体を見なければ分からない事です。
腰痛は身体に起きている不調を知らせるサイン
上記に事と重なりますが、腰が痛くて辛い時に腰の痛みを取るだけでは良くなったとは言えません。シップを貼ったり痛み止めの薬を飲んだり固くなった筋肉を揉んで押して柔らかくして痛みが治まっても一時的なことなので、多くの場合また腰が痛くなります。
それは、腰の痛みは身体に起きている不調を知らせてくれるサインなので身体に起きている不調が良くならない限り腰の痛みは何度でもぶり返すのです。
分かりやすい例えがあります。車が故障した時にオイル系統の故障(体に起きている不調)の場合、それを知らせるオイルランプが点灯します(腰痛)。そんな時オイルランプを消すために点灯させているコードを切ったらどうでしょう?オイルランプは消えますが肝心のオイル系統の故障はそのままです。
それと同じ事が、痛みと体に起きている不調との関係でもいえる事です。
なので、腰痛は痛みが治まったら良しとするのではなく腰痛になった原因(体に起きている不調)を見つけることが何より大事です。
まとめ
今回は、腰痛のお悩みで来られた来院者さんを見る時に大切にしていることの①番目『痛みを感じている部分(腰)だけを見るのではなくその人の身体全体を見ること』についてお伝えしました。
若い頃に読んだ本に「人は歯のみにて生きるにあらず」という本がありました。それは、ある歯科医院の知慮に対する考え方が書かれていましたが、歯の治療をすればそれで良しとするのではなく歯は食べるためにあり食べるは生きるためにあり生きるは人生であるというその人の人生そのものを大切にして歯の治療をしているというような(遠い昔の事なので記憶は曖昧です)内容で凄く感銘を得ました。
私はどこまでもその人の身体全体そして人生までも含めて見ることのできる整体師でありたいと思います。
次回は、私が腰痛の対処で大切にしていること②をお伝えします。